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2021.09.06

SARS-COV2抗体(アボット社)の測定しています【自費】

日本で最初に採用されたファイザー社/ビオンテック社製のmRNAワクチン「コミナティ筋注」は大規模臨床試験の結果、95%の高い発症予防効果が報告されていますが、自分自身がきちんと抗体を獲得できているか気になりませんか。mRNAワクチンは、ウイルスの表面に存在し感染の成立に重要な役割を果たすスパイクタンパク質(S)に対する抗体を誘導することで、COVID-19の発症予防効果を発揮します。その一方で、今まで行われてきた「抗体検査」は主にウイルスの遺伝情報を収納しているヌクレオカプシド(N)というタンパクに対する抗体であり、既感染の判定には有用であるものの、ワクチン接種後の抗体獲得の判定には不適でした。スパイクタンパク質(S)に対する抗体は、新型コロナウイルスへの既感染およびワクチン接種後の抗体獲得を示す良い指標であり、ウイルスとヒト細胞との結合を阻害する中和抗体としての活性を有すると考えられています。今回気になる抗体値を確認したい方のために、スパイクタンパク質(S)に対する定量的なIgG抗体検査ARCHITECT SARS-CoV-2 IgG II Quant(Abbott社)の実施を始めました。

方法と費用・結果について

自費診療になり、¥7,700(税込)です。

採血3ml程度採取、約一週間後受付まで結果を取りに来て下さい。結果説明に費用はかかりません。

結果の郵送をご希望の方はレターパックを受付でご購入・ご自分で宛先を記載頂きましたら、結果と説明書を一緒に郵送します。

スパイクタンパク抗体(中和抗体)検査をおすすめする方
  • ワクチン接種前や接種後に自分の抗体価を確認したい方。
  • ワクチン接種後に副反応がなく、本当にワクチンが効いているのか心配な方。
スパイクタンパク抗体(中和抗体)検査はいつ受ければいい?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、IgG抗体は発症後約10日で上昇し、発症後14日目以降の陽性率は100%と報告されています。従って、接種2-4週間後がお勧めです。

ファイザー社/ビオンテック社製のmRNAワクチン「コミナティ筋注」の接種を終えた方について、最近の日本人を対象とした実験では、2回目の接種を終えて1週間後に十分量の抗体が産生されている報告されており、2回目の接種後1週間以降であれば正確な評価が可能と考えられます。ただし、ワクチン接種前、1回目の接種後、2回目の接種を終えて長期のタイミングなど個人の関心に合わせて繰り返しの検査も可能です。

スパイクタンパク抗体(中和抗体)検査の精度は?

ARCHITECT SARS-CoV-2 IgG II Quant(アボット社)は、欧州での使用を可能とするCEマーク、米国ではFDAの緊急使用許可(FDA-EUA)を得ており、感度99.35%、特異度99.6%と報告されています。したがって、数あるスパイクタンパク抗体検査の中でも、過去感染やワクチン接種後の抗体価を確認する上で、特に信頼できる検査であると考えられます。スパイクタンパク抗体検査については、ロシュ、ベックマン・コールター、シーメンス、富士レビオなど各社の測定系が発表されていますが、現状アボット社の測定が世界トップのシェアを獲得しており、優れた定量性を示している状況です。

スパイクタンパク抗体(中和抗体)がどれくらいあれば大丈夫?

ウィルス量を50% まで減少させることを確認する培養細胞での試験(プラーク減少中和試験(PRNT))で、1:250 希釈のPRNT ID50(代表的な高力価の指標)を使用した確率プロファイルの例では95%信頼区間で4,160 AU/mL報告されています。

また、FDAが緊急使用許可(FDA-EUA)を出したCOVID-19の回復期患者血漿製剤(convalescent plasma)では、製剤の精製基準が840 AU/mL以上と定められています。

以上からも必ずしも4,160 AU/mLに抗体価が満たないからといって中和活性が認められないというわけではないけれども、人の体内でどれだけの抗体価があれば、発症や重症化予防に十分であるかは現在まだ明らかになっていません。
最近の欧米の研究では、ファイザー社/ビオンテック社製のワクチン接種後の抗体価について、1回目の接種後の中央値 2,217 AU/mL, 2回目の接種後の中央値 6,396 AU/mL 報告されています。

また、2021年5月に長崎大学より発表された日本人を対象とした研究では、ファイザー社/ビオンテック社製のワクチン接種後の抗体価について、1 回接種後14 日の中央値は約1,000AU/mL2 回接種後7 日の中央値は約22,000AU/mL報告されています。

この結果から2回目の接種を終えて1週間後に十分量の抗体が産生されている可能性が高いと考えられ、ワクチンの最終的な効果判定を行いたい方は2回目接種の1週間後以降が適しているのではないかと考えられます。

スパイクタンパク抗体(中和抗体)はいつまで残るの?

最終的にワクチンの効果がどの程度持続するのかは不明で、ハンガリーでの研究では、ファイザー社/ビオンテック社製ワクチンについて、2回目の接種後1週間でピークとなり、以後は中和抗体が減少する報告されています。同様に国立国際医療研究センターからも、2回目接種後7日の時点が最も高く、30日の時点では平均42%減少する可能性報告されています。中和抗体が高ければ感染予防を心がける上で有用な指標と考えられます。